活動報告

2011/09/18

明るい民主府政をつくる会の梅田章二弁護士(知事選予定候補)は、次のコメントをだしました。

この記事は、約5分で読めます。

 「大阪維新の会」による「大阪都構想推進大綱」(案)について

                                                          9月17日 梅田章二

府民の願いに逆行する

1、私は知事選出馬表明にあたって、府民がいま大阪に求めているものとして、①東日本の大震災をうけ、震災・津波・原発から、いかに府民のいのちとくらしを守る大阪をきずくか。②関西財界流の経済政策を転換し、いかにくらしをあたため、中小企業を守り、福祉と教育をささえる大阪をきずくか。③知事“独裁”の府政ではなく、いかに府民の多様な声が息づく「府民が主役」の大阪をきずくか、をあげました。

 今度出された「大阪維新の会」の「大阪都構想推進大綱(案)」は、この府民の願いに逆行、あるいは破壊する構想となっています。

 

東日本大震災から何を教訓にしているのか

2、何よりも驚くべきことは、東日本大震災をうけて、震災・津波・原発から府民のいのちと財産を守るという自治体として問われる最大のテーマについて、この長い文章のなかで、正面からこたえたものがないことです。

 震災・防災にかかわってでてくるのは、「災害時の危機管理」はいまの「区役所では全くできない」から「特別自治区」にしなければならないとか、「南関東大震災の発生が予想される現在、東京のもつ諸機能を分散させることが必要である」というものです。いずれも震災をテコに「大阪都」構想を推進するためのものであって、東日本大震災の教訓にたって、東海・東南海・南海大地震や大阪の直下型地震にもそなえ、大阪をどうするのかは眼中にありません。

 福井県などの原発にどういう態度をとるのかも、まったくふれられません。 

くらしと経済――危機の要因と責任をごまかしている

3、くらしと大阪経済をめぐっても、「推進大綱」は、「大阪の危機」をあおりますが、その原因はすべて「公務員天国」「二元行政」にある。そこで「大阪都」をつくって、「驚天動地の公務員改革・行政改革」で「多額の財源を確保し、住民サービスの財源に充てる」というものです。

 しかし、大阪の危機をもたらしたのは、関西財界と歴代「オール与党」府政・大阪市政がつづけてきたムダな大規模開発路線、外国だのみの「よびこみ」戦略の破たんではないのか。そのために府にも、大阪市にもばく大な借金がつくられました。

 「推進大綱」はその責任はいっさい不問にしています。そのうえ、「大阪都」がすすめる「成長戦略」は、あいもかわらぬ「大規模開発、高速道路、都市鉄道」などであり、その具体的な内容は「関空リニア」などだといいます。さらに大阪市営地下鉄の売り飛ばしなどを描いていますが、結局はすべて関西財界の注文通りです。

 一方、府民のくらしにたいして、「大阪都」は責任を負いません。これまでの府と大阪市の財政の39%を「都」にすいあげて、開発はやりたい放題にする。その「残りもの」で「特別自治区」が住民サービスをやればいいというもので、「逆立ち財政」を極限に広げるものです。「福祉・医療・教育にかかわる予算は維持される」などという「大阪維新の会」の根拠は示されていません。

 「大阪都」が「国保」「生保」を一元化してになうといいますが、いま各市町村が一般会計から国保会計にだしている支出もカットされ、「2万円以上」と試算される国保料引き上げが避けられません。

 これではいつか来た道、待ち受けるのは、新たな大阪経済の疲弊と府民のくらしにのしかかる負担増です。 

これが「自治体」とよべるのか

4、どんな行政をつくるのかという点でも、「推進大綱」が描く「大阪都」は、あらゆる意味で「自治」とはいえないものです。

 第1に、「大阪都」をつくる目的は、あからさまに「大阪府庁と大阪市役所を再編し、1人のリーダーが成長戦略を実施できる体制を整備する」とのべています。

 第2に、大阪市の「分割」であれ、周辺都市の「再編」であれ、すべて「上から目線」で好き勝手に地域区分を決めようなどとは、まさに「領主」的発想、時代錯誤もはなはだしいのではないでしょうか。

 第3に、「驚天動地の行政改革・公務員改革」とは、「大阪維新の会」がだした「大阪府教育基本条例案」「府職員条例案」が示すとおり、知事による教育介入・教育破壊と職員首切り勝手を自由にし、知事が気に入る教職員、府職員だけで教育と行政をになおうとうものです。

 これでは府民の多様な声が行政に反映されるどころか、異論が許されない窒息状況が生まれ、未来をになう子どもたちが犠牲にされます。 

「大阪都」構想はノー。安全・安心、やさしさの民主府政を実現する

5、もともと「大阪都」構想なるものは、橋下知事の「政策」というより、「大阪維新の会」の多数派づくり、選挙めあての「政略」としてだされた面が強いものです。つい先日7日の橋下知事の記者会見でも「大阪都」ではなく、「大阪特別市」にしてもいいとのべたとおり、その思惑によって発言もクルクル変わっています。はっきりしているのは、「リニア」「湾岸開発」など関西財界流の「成長戦略」、それから「関西州」(道州制)に踏み出すという点だけです。

 橋下知事は、「大阪都」をつくるために、府政を投げ捨て、市長選に出馬して、府民に信を問うというのですが、府民の要求にこたえない道に未来はありません。それは先の旧WTCビルへの府庁全面移転断念劇が示したとおり、橋下知事の政略破たんにもはっきりとあらわれました。

 私は、このような「大阪都」構想にはきっぱりノーをつきつけます。そして、府民の不安と関心、願いに真にこたえる安全・安心、やさしさの民主府政の実現へ、総力をあげます。

                                                                    以上

活動報告|19:16

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