2021/05/7
新型コロナ感染拡大 女性の雇用に大きな影響 2020年労働力調査より
休業者が急増
新型コロナウイルスの感染拡大による雇用への影響は、大阪でも深刻です。総務省の「労働力調査」の大阪府分のデータによると、男女とも就業者のうち、休業者が急増しています。労働力調査では、就業者の内訳は従業者と休業者で、実際には業務について
いませんが、失業者にも、非労働力人口にも含まれません。
2020年のデータをみると、男性の就業者は前年に比べ1万7千人増えていますが休業者も3万5千人増えています。就業者から休業者を引いた実際の就労者は1万8千人減。同様に女性の就業者は9千人増です
が、休業者は3万7千人増で、実際の就労者は2万8千人減となっています。
就業者に占める休業者の割合は、男性3.1%、女性5.4%で、ともに前年より大きく伸びています。特に女性の25歳~34歳では1割を超え、10人に1人が休業している状況です。
実際の就労者数は、2019年の場合、前年より男性5万3千人増、女性9万4千人増です。一転減少に転じた2020年は、新型コロナウイルス感染拡大が大きく影響していると考えられます。
非正規労働者が減少
非正規雇用は男性で3万人減、女性で1万7千人減りました。正規雇用は男性で5万3千人増、女性で4万人増となっています。女性の正規労働者の増加傾向は2020年も続きましたが、同じく増加傾向にあった非正規雇用が減少に転じ、非正規雇用が雇用の調整弁となっていることがうかがえます。非正規雇用の割合が高い女性が、より大きな影響を受けています。
業種別では医療、福祉で増加
職業別に見てみると、男性では、「運輸業、郵便業」、「教育、学習支援業」、金融業、保険業」で減少。「建設業」「医療、福祉」、「情報通信業」で増となっています。
女性では、「教育、学習支援業」、「宿泊業、飲食サービス」、「生活関連サービス」で減。「医療、福祉」、「製造業」で増えています。男女とも新型コロナ禍で人手不足になっている業種が雇用の受け皿になっているようです。
新型コロナの影響を受けている事業者への支援とともに、離職、休業を余儀なくされた人への所得保障が急がれます。そして、非正規雇用、女性の雇用のいっそうの安定が求められます。